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■危険な火遊び Others

■危険な火遊び

「もう少し食べるかい?」 「うん!」 「店員、追加注文! それとお茶持ってきな!!」 何故か触覚と羽を持つ、無邪気な少女。 街中の、しかも茶店にも関わらず帯刀している、尊大だが美しい女性。 どちらも一人でいたとしても、存分に人々の様々な視線を集めることができるだろう。 その二人の取り合わせ。しかも、仲がいい。 そして極めつけは、ここは出会い茶屋であるという事実。 「何じろじろ見てんだい!!」 怒声が響いた。 この女性、尊大なだけでなく気が短いらしい。 見るなといわれると見たくなるのが人の常。 しかし柄に手をかけて睨みを効かせると、慌てて目を逸らした。 ――私だって好きでこんな所にいるわけじゃな[…]
闇の戦士たち Others

闇の戦士たち

このフロアの敵はだいたい片付けたようだ。 テムは息をつき傍の石に腰掛けた。 「ふう……」 気が浮かなかった。むしろ段々滅入ってくる。 フリージアの街から少し行った所にあるダイヤモンド鉱山。 表面は綺麗なあの街も、裏通りは奴隷商人の巣窟……というのも気が滅入る事実だったが、 実際に奴隷が働かされている現場であるここはそれ以上にひどい。 人間が魔物に使役される、そんな所があるなんて、思いもしなかった。 前にも旅に出たことがあるが、その時は父や頼れる大人たちがいた。 それに、戦う必要はなかったのだ。 今は同い年の仲間と旅をしているが……戦いの場ではテムは一人だった。 もっとも、一人、というのは少し違[…]
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