「君にも君の仕事があるだろう? 俺は、大丈夫だから」 ギリアムの言葉で我に返った。 彼の準備を手伝っていたが元々荷物は少なくやることは少ない。 つい考え事をしてしまっていた。 鞄を受け取ろうと手を伸ばしている。 ため息のような微笑。 渡せばしばらく彼には会えなくなる。 ――――大丈夫なんてそれほど便利な言葉じゃないのよ。 視線を微かに逸らせながら鞄を手渡した。 青の亡霊が視界に入る。 この機体を受け取った時は嬉しかった。 彼女のために調達してくれたこの機体は彼にとって特別な意味を持つもののはずだから。 知識や腕が求められているだけでもよかった。 何でもいいから少しでも多くのことを為したかった。[…]