C3/修羅

『自由』の使い方 SRWNovel

『自由』の使い方

「何をしに来た、この暇人が」 「自由戦士って言ってくれよメイシスお嬢ちゃん、もとい氷槍のメイシス様!」 剣を喉元に突きつけられ悲鳴を上げる。 修羅に模造刀などという文化はない。これは真剣だ。 そしてメイシスの心も、刃の如く。 「メイシス、そこまでにしてやれ」 「アルティス様が仰せなら」 渋々ながら剣を下ろしたメイシスを見て、調子に乗らずにはいられないのがこの男の信条。 「さっすがマイダーリンアルティス様!」 「やれ、メイシス」 「アルティス様の仰せのままに」 「いやいやいやいや! 冗談だから! つかアルティス! そのやれって絶対物騒な字書くだろ!」 「修羅にとっては日常的な字だが?」 「貴様ま[…]
閃光と氷槍のお料理行進曲 SRWNovel

閃光と氷槍のお料理行進曲

「こんな……こんな料理が食えるか!」 メイシスが皿を叩きつけるように置いた。 「な……何と」 「てやんでえ、何しやがんだ! 食いモンには神様が宿ってんだぞ!」 レーツェルが珍しく狼狽している。 無理もない。絶対の自信があった彼の料理をこのように拒絶されたのだから。 「メイシス! レーツェルに謝るんだ!」 「嫌な物は……嫌なんです!」 アルティスに叱られ、食堂を駆け出して行ってしまった。 「信じられんな、こんな美味い食事を……フォルカ、食わんのなら俺が食うぞ」 「良く噛んで食べなくてはならないとショウコが言っていた。吸収が良くなるらしい」 フォルカの皿の上では白熱した攻防戦が繰り広げられていた。[…]
平和の味を噛み締めて SRWNovel

平和の味を噛み締めて

『修羅』と呼ばれる人々は、異世界においてもなお戦い続けた。 それを迎え撃つ者たちもまた、争いの耐えぬ日々をすごす。 しかし彼らと修羅は、それでもどこか違っていた。 その相違点がどこにあるかはわからないが―― メイシスが偵察から戻った。 フェルナンドの消息は未だ知れない。しかし恐らく軍師ミザルの下にいるのだろう。 フォルカ、そしてアルティスへの切り札として。 ともかく、修羅軍と対抗者「アーガマ隊」の動きをアルティスに報告せねばなるまい。 「そうか……ご苦労だったな、メイシス」 「いえ、これも任務ですから」 そしてアルティス様のためですから、と心の中で付け加えた。 ミザル率いる修羅軍を離れ単独で行[…]
メイシスのアーガマ潜入記 SRWNovel

メイシスのアーガマ潜入記

私の名はメイシス。 我が敬愛する閃光の将軍、アルティス様のためにかの方の不肖の弟であるフォルカが身を寄せるアーガマという戦艦に潜入している。 侵入はあっけないほどに簡単だった。 この世界はどういうわけだか機体の整備にそれ専用の人間を必要とするらしい。 しかもその数が無駄に多い。おまけに入れ替わりが激しいときている。 私は補給の時に作業着を入手し紛れ込むだけでよかった。 これなら艦内で動いていても怪しまれない。我ながら完璧な策略。 こちらの世界に来てから通信機の調子が悪く顔ははっきりとは見えていないはずだしな。 フォルカにさえ見つからなければわからんはずだ。 私は任務を遂行しつつ艦にうまく溶け込[…]
遠い日の記憶 SRWPict

遠い日の記憶

8代目TOP、過去の修羅組。 アルティスさん、このころ修羅頭くらい? つーか、兄さんてゆーより父さん……(汗)  […]
すれ違う願い SRWNovel

すれ違う願い

「フェルナンドを救ってやってくれ……」 「で、でもどうすれば!?」 昔と同じように真剣な眼差しでフォルカが聞いてくる。 しかし昔とは違う。何もかもが。 「……お前の心のおもむくままに」 そう、フォルカは強くなった。 最早自分が導いてやる必要はない。 静かに目を閉じた。 最善を尽くしたとは言えない。心残りもある。 だが、きっとこれで良かったのだ。 これでいい……これで。 笑みがこぼれた。 記憶だけが瞼の裏を通り過ぎていく。 「フォルカ、私の弟よ……またあの頃のように、暮らし、たかった…………」 結局……この望みは叶えられなかったけれども。 「……誓ったんです。望みを叶えるために」 ――誰、の声だ[…]
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