2次OG

エンキョリレンアイ SRWNovel

エンキョリレンアイ

ようやく1人になれる時間が出来てDコンを取り出して、ふと我に返った。 連絡を取ろうとした相手はヴィレッタだが、鋼龍戦隊の置かれた状況が思わしくないことは他でもなく先程までしていたGS絡みの任務その他で嫌というほど知っている。 仕事やそれを振ってくる上層部への愚痴というのは俺たちの日常会話としてはよくあることだが、久方振りの連絡でそれはどうかという良識があった。 ヴィレッタもそこでアーマラ・バートンという敵対存在に心を乱されている。 話題が必要だ。気を紛らわすような面白みのある話で彼女が知らないようなもの。 ――――無理だな。楽しい人間に混じるのは好きだが、正直ネタ切れだ。 全体の心身のケアと自[…]
噂の真相 SRWNovel

噂の真相

ギリアムは笑っている。 「聞いたことがあるな。士官学校に流れているという特殊戦技教導隊の功績を誇張した噂話の存在を」 アクアは煌めいた目で尋ねる。 「はい。本当なんでしょうか。『ギリアム・イェーガー少佐は敵機が出撃する前に撃墜出来る』というのは」 「本当だとも、アクア少尉」 休憩室で立ち話になり再度追求に至るが、アクアもヒューゴも巻き込まれただけであることを再確認しただけで、残りは余興だ。 「ギリアム少佐、少しばかり語弊があるように思いますが」 ヒューゴは気に入らない、という感情が少し出て――――何が気にいらないのかわからないのがまた気に入らないが――――堅実に意見を述べる。 「つまりは潜入工[…]
何度でも呼ぶ、君の名を SRWNovel

何度でも呼ぶ、君の名を

薄く目を開く。弱々しい人工光。 周囲を見渡して、彼は実験の失敗を認識した。 ここがどこかはわからないが、天にも大地があることから、少なくとも彼の目的地でないのは確かだった。 それを告げるが如く、サイレンと臨時の公共放送が流れ始めた。 『コロニー・エルピス市民の皆様、周辺宙域で地球連邦軍と統合宇宙軍の戦闘が始まりました。至急シェルターへの避難を。繰り返します……』 避難勧告の中、彼は動けずにいた。足も、思考も、動作を拒否している。 彼はほぼ全てを失ったが、残った予知能力は戦いがここから始まることを告げていた。 その時、誰かに名を呼ばれた気がした。 遥か昔に失った、そして今取り戻した名を。 ***[…]
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