號渓

愛哀傘 SRWNovel

愛哀傘

トン助を追い回す剣人やシローたち。 情勢を鑑みて敵襲がしばらくなさそうだということで、ウッソが見付けた花の綺麗な公園にブルー・スウェアのメンバーが休暇に訪れたのだ。 荒れ果てた地球でこのような場所は珍しい。 何故ウッソがそんなことに詳しいのかといえば、いつかカテジナを誘うために昔からデートスポットのデータ収集は怠らなかったのだという。 そのカテジナはザン・スカール軍の兵士になりいつ襲撃があるかわからないことを考えると、随分皮肉だ。 「……で、何であんな追っかけっこやっているワケ?」 ルーの問いにミカが微笑む。 「『花見と言えば酒だな』『バーベキューもいいんじゃないか?』とゲッターチームが言って[…]
女の世界 SRWNovel

女の世界

――たまに出撃のない時くらい、ルーを労ってやろう。 前の戦時中はプルとプルツーに時間を割かれ、ルーと心を通わす暇もなかった。 ルーがいつもいる談話室に行こうとすると、號に阻まれた。 「何だよ、號」 「俺は渓を守る」 「あんなおっかねぇ女を守ろうとしてるのはお前と剴くらいだよ!」 ルーも大概だけどな、と小声で付け加えつつも號を睨みつける。 「渓はいま『ぢょしかい』とやらをやっているらしい。男が近づいたら片っ端から追い返せとのことだ」 「な、何!? 女子会だと!?」 ジュドーよりも傍にいた他のメンバーの方が浮き足立っている。 女子会。男子禁制の秘密の花園。 コイバナ、スイーツ、男の格付け、“どうや[…]
ウソのある世界でも偽りない SRWNovel

ウソのある世界でも偽りない

「それにしても熱い告白劇だったわねー。まさに青春って感じ?」 「なんか半分ヤケになってたけどね。男連中皆」 ゲイナーのとった、プラネッタの“相手の思考を読む”というオーバースキルへの対抗策は、その能力を逆手に取った搭乗者への精神攻撃であった。 ただし、その内容は極めて平和的とも言えた。 何しろ同級生のサラ・コダマへの恋慕の想いを強く熱く叫ぶという、ただそれだけなのだから。 しかしこの手の話が身の毛がよだつほど嫌いな搭乗者のカシマルには恐るべき威力を発揮してしまったのである。 更にゲインたちが煽りガロード、レントンの告白が続くこととなり、作戦は無事に成功した。 凍土の地・シベリアを糖度の地に変え[…]
信頼と献身の方程式 SRWNovel

信頼と献身の方程式

「號、いるかなぁ……」 自分の部屋にいないとすれば、まずはここ、格納庫――予想通り。 しかしなんでまた、ブラックゲッターの上につっ立っているのか。 ――――何とかと煙は高いところが好きって言うケド。 「ゴーウー!!」 仰ぎながら大声で叫ぶ。 影が動き、渓は続ける。 「アンタそんなトコいないでちょっと降りてきなさいよー! これで話すの、疲れるンだからー!!」 やれやれ、だ。 戦闘中なら勢いでいけるが、普通の時にこう上を向いて叫ぶのはなかなかにキツい。 おまけに。 「……アンタねぇ……そりゃあたしは降りてこいって言ったケドさぁ……」 目の前で、號がきょとんとしている。 「何で! アンタ飛び降りんの[…]
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