情報部

笑顔の溢れるやりがいのある職場 SRWNovel

笑顔の溢れるやりがいのある職場

「地球連邦軍情報部所属、サイカ・シナガワ少尉、かあ……」 規律を守ったナチュラルメイク。真新しい軍服に袖を通したがどうにもコスプレじみている。 実感が湧かない。あのスパムメールから異形じみた自律兵器に狙われていたということも、その調査をしていたギリアム・イェーガー少佐の目に留まり司法取引で軍属になり今日から着任という事実も。 Dコンの星座占いアプリでは一位、仕事運と恋愛運が特に良し、運命の出会いが訪れるかも、などなど都合のいいことがずらりと書かれている。 ――でもギリアム少佐って特殊戦技教導隊の人だし今もハロウィン・プランでゲシュペンストの改良に力を入れているから、夢のPT開発に携われるチャン[…]
熱く未来を呼び覚ます SRWNovel

熱く未来を呼び覚ます

特殊戦技教導隊という実績はどこでも欲しいもの。 ブランシュタイン家の跡継ぎであるエルザムや叩き上げの実力者であるカイ少佐ほどではないが、教官や小隊長の口はいくらでもあった。 しかし俺は、その話を蹴った。 亡霊が怖くなって逃げたのだという中傷もあった。 彼らは全く根拠もなく――強いて言うなら自分の恐れを投影して言っているのだろうが――確かにその面がない訳ではない。 俺はどこに行っても“ゲシュペンスト”と巡り会う。 それもまた宿命というものなのだろう。 しかし俺はこの機体が好きだった。 一言で言えば、好き好んで呪われている。 だが俺には指揮官などの立場は向いていない。よくわかっている。 そして後続[…]
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