特殊戦技教導隊という実績はどこでも欲しいもの。 ブランシュタイン家の跡継ぎであるエルザムや叩き上げの実力者であるカイ少佐ほどではないが、教官や小隊長の口はいくらでもあった。 しかし俺は、その話を蹴った。 亡霊が怖くなって逃げたのだという中傷もあった。 彼らは全く根拠もなく――強いて言うなら自分の恐れを投影して言っているのだろうが――確かにその面がない訳ではない。 俺はどこに行っても“ゲシュペンスト”と巡り会う。 それもまた宿命というものなのだろう。 しかし俺はこの機体が好きだった。 一言で言えば、好き好んで呪われている。 だが俺には指揮官などの立場は向いていない。よくわかっている。 そして後続[…]