「『名前:ハロ。サイズ:普通。口癖:ハロ、ゲンキ』って個性のない奴だな!」 依頼主から預かった書類を振り、毒づく。 バーナード・ワイズマン――愛称バーニィ――は探偵、もっと正確に言うならばその助手である。 探偵といっても仕事は地味で、ペット探しや浮気調査が主流だ。ちなみに今回はペットロボットの捜索依頼である。 しつけ次第で如何様にもなるハロがここまで無個性なのは飼い主に放置されていたからなのか、そういう風に育てたのか。 行方不明でわざわざ探偵に探させるのだから後者だろうが。 バーニィは不機嫌だった。その理由は多々あるが、強いて一番を決めるなら。 Dashing through the snow[…]