ムゲフロ

天衣夢包の愛逢道中 SRWNovel

天衣夢包の愛逢道中

月を、眺めていた。 神楽天原の『温泉』は疲れを癒してくれる上に月見酒、花見酒と洒落込めるので人気があるそうだ。 それを貸しきり出来る幸運に感謝する。 輝きながら彼女の宿命を嘲笑うようで憎らしくすら感じることもあったエンドレス・フロンティアの月だが、今はただその輝きすら愛おしい。 桜の花もだ。神楽天原の花は常に咲き常に散っていく。その儚さを神楽天原の者は愛でるという。だがその儚さを彼女の運命と重ね合わせてしまった。 今は、花を愛でる彼女を愛し、故に花も美しく思う。 「ハーケンさん、お背中流しましょうか?」 「おおっといけないな、プリンセス。旅のバウンティ・ハンターの俺をプリンセスがもてなすなんて[…]
EternalForce SRWNovel

EternalForce

「ところで船長」 「何だい、ボニー」 「あの小僧にはああ言いましたが、船長も鱗がありませんな」 アンの下半身はいわゆる鯱のようなものであり、彼女自身も艶々だと自慢している。 「……ボニー」 「何ですかな?」 「何ですかな、じゃないよ。あんた一体どれだけあたしの補佐をやっているって言うんだ」 「はて……」 「本気で言ってるなら部下なしで船全体を掃除させる」 そんな声を後にしながらハーケン・ブロウニングと愉快な仲間たちはヴィルキュアキントへと突入した。 「なるほどな。俺のミラクルチャームが通用しなかったのはそういう訳か」 「いえ、もっと根本的な問題かと思われます、重力無視コート」 「しかし生命の神[…]
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