ヒューアク

大切な日に変わっていく SRWNovel

大切な日に変わっていく

「ヒューゴの誕生日?」 フォリアに問い返す。一週間後がヒューゴの誕生日だと教えてもらったのだ。 「何で教えてくれなかったのかしら……パートナーなのに」 「姐さんは悪くないです! 戸籍だけの奴だからって無頓着だし、祝われても微妙な反応だしで。でも姐さんから祝われたなら別だと思うんですよね」 ニシシ、と歯を見せて笑う。親友の反応が楽しみだという好奇心と、彼らへの好意が7対3ほどの割合で溢れている。 「フォリア、ありがたいのだけどひとつ忠告しておくわ」 「何でしょう姐さん!?」 クライ・ウルブズの末席として舎弟精神が染み付いているフォリアはアクアの静かな叱責にビシリと敬礼をして袖を正す。 「お店の予[…]
噂の真相 SRWNovel

噂の真相

ギリアムは笑っている。 「聞いたことがあるな。士官学校に流れているという特殊戦技教導隊の功績を誇張した噂話の存在を」 アクアは煌めいた目で尋ねる。 「はい。本当なんでしょうか。『ギリアム・イェーガー少佐は敵機が出撃する前に撃墜出来る』というのは」 「本当だとも、アクア少尉」 休憩室で立ち話になり再度追求に至るが、アクアもヒューゴも巻き込まれただけであることを再確認しただけで、残りは余興だ。 「ギリアム少佐、少しばかり語弊があるように思いますが」 ヒューゴは気に入らない、という感情が少し出て――――何が気にいらないのかわからないのがまた気に入らないが――――堅実に意見を述べる。 「つまりは潜入工[…]
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