ギリアムは笑っている。 「聞いたことがあるな。士官学校に流れているという特殊戦技教導隊の功績を誇張した噂話の存在を」 アクアは煌めいた目で尋ねる。 「はい。本当なんでしょうか。『ギリアム・イェーガー少佐は敵機が出撃する前に撃墜出来る』というのは」 「本当だとも、アクア少尉」 休憩室で立ち話になり再度追求に至るが、アクアもヒューゴも巻き込まれただけであることを再確認しただけで、残りは余興だ。 「ギリアム少佐、少しばかり語弊があるように思いますが」 ヒューゴは気に入らない、という感情が少し出て――――何が気にいらないのかわからないのがまた気に入らないが――――堅実に意見を述べる。 「つまりは潜入工[…]