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その愛は幻影か SRWNovel

その愛は幻影か

状況を理解するのに、しばらく時間が掛かった。 近くには彼女の仲間はおらず、センサー類は現在地を感知できない。 ただ、R-GUNは呼び出す事が出来るし、不自然な程に無傷だ。 意識を失う前は、機体の損傷も弾薬の消耗もあったはずだが、それが全く無くなっている。 有機的にも無機質にも見える壁に囲まれた空間はどこか禍々しさ、そして何故か迷いを感じた。 しかしこの空間には扉というものが見当たらず、強いていうなら六芒星を描いた魔法陣があるくらい。 意を決して、R-GUNに乗ったまま魔法陣に踏み入れる。 似たような空間だったが、広く、そして人がいるという相違点があった。 「よく来たな……ヴィレッタ・プリスケン[…]
遭遇 SRWNovel

遭遇

外の様子は、耳にすることが出来る。 しかし、干渉することは許されない。 それは思ったよりも耐え難いことだ。 今は時を待つしかない。 過剰な期待は、していないけれども。 「面会だ!」 さて、何が出るだろうか? 「ヴィレッタ隊長、お久しぶりです!」 情報部、と聞いたときはまさかと思ったが、目の前にいるのは紛れもなくアヤ大尉だった。 投獄されてしまった私ほどではないが、アヤも行動にはかなりの制約を受けているはずだ。 SRX計画は上にとって不都合な点が多すぎる。 その為にチームは解散させられ、アヤは情報部に送られたのだから。 当然、私と面会するなど許されるはずがない。 そうなると。 アヤの背後の男性…[…]
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