「これは重要な選択だよ」 こころがキュウッと締め付けられた。 鼓動も高まっていくがこのからだはサギのものだから、きっとこれはサギのこころのせいだ。 だが私に肉体があったとしたら、同じように鼓動の高まりを覚えていただろう。 急速に強まってくる、私のこころのちから。 邪神の力の一片を持つ私のこころは、宿主であるサギのこころを脅かすまでになっている。 このままだと、主従が入れ替わってしまう。 私が肉体を得て、サギが私のこころに憑くようになる。 サギはそれでもいいと言っている。 残るは、私の決断。 ――ちからが欲しかった。 伝説の精霊憑きには精霊から大いなる叡智とちからを授けられるという。 だが私はサ[…]