シリアス

盾の護る希望 SRWNovel

盾の護る希望

「オラオラ! バテてんじゃねぇぞ! 強度上げてあと30分だ!」 ラマリス発生の大規模な予兆、ガディソードとゴライクンルの連合軍の不穏な動き。鋼龍戦隊がそれらに対応するため大気圏を離脱し、無事衛星軌道上に辿り着いたのが数刻前のことだ。 その慌ただしさからか、ヒリュウ改のトレーニングルームはオクト小隊の独占状態となっていた。 こうなると常時より過激になるのがカチーナ・タラスク中尉というもので、並んだランニングマシーンをリモコンで一括操作した。 「た、タンマタンマ! 無理です! 無理ですって! ギブギブ!」 「何が無理だァ!? あたしが余裕でこなせるんだ、野郎でティーンのお前が出来ない訳がねぇだろ![…]
涙を拭いて SRWPict

涙を拭いて

13代目TOP絵のギリヴィレ。 っはーーーーーーーーっ! やっちまったい!!って感じです。 滅多に泣かないけど泣いた時にはお互い涙を拭きあえるそんな感じだと嬉しい。  […]
どこにも行かないで SRWPict

どこにも行かないで

OG2ギリヴィレイメージ。 途中のやりとりが辛かったです。 最終的にはハッピーエンドでひと安心。 回転版。 ギリアムさん的にはヴィレッタさん(と仲間)を想ってのことなんだよなぁ。 なお波多野は凄く発狂していました。  […]
“希望”の大地にて SRWNovel

“希望”の大地にて

「ここはこのコロニーで一番大きな公園なんだ」 ヴィレッタは興味なさげに頷く。 実際、興味なんてない。 湖が綺麗だとか緑が豊かだとか言うけれども、結局、それは偽りにすぎないのだから。 「本社から、エルピスでちょっとした仕事をやってくれって」 そう言うとラーダは補給やら整備やらで手が離せないから、とすまなそうに頼んできた。 ヴィレッタとて仮にもマオ社社員。 彼女向きとは言いがたい、量だけは多い雑用の類だが、そういう仕事もしなければならない。 「でもちょっと場所がわかりにくいわね」 「そうね。一応地図はあるけれど…………あら、少佐。珍しいですね。私服なんて」 軽く挨拶をして二人の横を通りすぎた人影。[…]
信じたい、だから SRWNovel

信じたい、だから

簡単な、ことだ。 実行するだけなら。 肝心なのは、その一歩を踏み出せるか否か。 踏み出すための、理由。 本当なら、黙っていられないから、で充分。 それで足りないなら、早く行かなければコーヒーが冷める……を付け足そう。 どこかで狂っている思考は、まだ迷いの靄がかかっている。 しかし、迷っている暇なんて、俺にはない。 「ヴィレッタ」 彼女が、振り向いた。 「コーヒーの一杯くらいは飲んでおいた方がいいのではないか?」 オペレーションSRWは現在艦隊戦の最中だった。 格納庫では来るべきフェイズ4に備え、急ピッチの作業が進められていた。 そして我々パイロットは、「急いで休め」と艦内待機を命じられていた。[…]
すれ違う願い SRWNovel

すれ違う願い

「フェルナンドを救ってやってくれ……」 「で、でもどうすれば!?」 昔と同じように真剣な眼差しでフォルカが聞いてくる。 しかし昔とは違う。何もかもが。 「……お前の心のおもむくままに」 そう、フォルカは強くなった。 最早自分が導いてやる必要はない。 静かに目を閉じた。 最善を尽くしたとは言えない。心残りもある。 だが、きっとこれで良かったのだ。 これでいい……これで。 笑みがこぼれた。 記憶だけが瞼の裏を通り過ぎていく。 「フォルカ、私の弟よ……またあの頃のように、暮らし、たかった…………」 結局……この望みは叶えられなかったけれども。 「……誓ったんです。望みを叶えるために」 ――誰、の声だ[…]
多重の幻影 SRWNovel

多重の幻影

「何しろ手加減などしたことがありませんから……うっかり、加減を間違えるかもしれませんが、宜しいですね、陛下?」 ゼウスのメンバーはネオ・アクシズの喉下まで迫ってきている。 このままではプロジェクト・オリュンポスに支障が出るのは明白だ。 部下には任せて置けぬ、と幹部であるシロッコが自ら出撃する旨を伝えた。 アポロンは仮面の奥でこの男を鋭く見ていた。 ゼウスのメンバーを決して殺すな、とアポロンは部下に命じている。 部下たちは、洗脳するか改造するかだろう、と各々自分なりの理由をつけてそれをしようと尽力していた。 しかし、アポロンがそれを命じた理由を知れば、誰もそれに従おうとはしないに違いない。 そう[…]
闇の戦士たち Others

闇の戦士たち

このフロアの敵はだいたい片付けたようだ。 テムは息をつき傍の石に腰掛けた。 「ふう……」 気が浮かなかった。むしろ段々滅入ってくる。 フリージアの街から少し行った所にあるダイヤモンド鉱山。 表面は綺麗なあの街も、裏通りは奴隷商人の巣窟……というのも気が滅入る事実だったが、 実際に奴隷が働かされている現場であるここはそれ以上にひどい。 人間が魔物に使役される、そんな所があるなんて、思いもしなかった。 前にも旅に出たことがあるが、その時は父や頼れる大人たちがいた。 それに、戦う必要はなかったのだ。 今は同い年の仲間と旅をしているが……戦いの場ではテムは一人だった。 もっとも、一人、というのは少し違[…]
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