竜の砂時計が完成し、ユーディーが元の世界に帰る方法も確立された今、 彼女がこの世界でやるべきことは、世話になった皆に別れを告げ、依頼を全て片付けることだけだった。 しかし依頼を片付けるには少し材料が足りない。 採掘場に向かおうとすると、酒場にいたヴィトスが彼女に同行してきた。 「あんたも物好きね、ヴィトス。もう借金は返したんだからついてこなくてもいいのに」 「僕が君とつるんでいるって事は一応知られているからね。最後の最後におかしな事になっては、僕の信用に関わる」 「いっつもそうよね、ヴィトスって……」 ユーディーは呆れというより哀しみの声で呟いた。 ――――結局、ヴィトスにはお金が全てなのだ。[…]