ファルコン伝説もヨロシク!

やあ、今日のスーパーロボット大戦は面白かったかな?
相変わらず先生への質問が多くて多くて。参ったなぁ。
『ギリアム先生は何で顔を隠しているの?』
まだ秘密です。
『キョウスケ中尉の借金はいくらあるの?』
裏取引でチャラにしてもらうらしいですよ。
それでは中尉にバトンタッチして、私はこれでごきげんよう。

「数多の世界が交差し、人々の絆もまたクロスする。出ない次回作、増え続ける参戦作品。そろそろ立場の怪しいおれ、キョウスケ・ナンブが愛機アルトアイゼンと共に撃ち貫く! ここで一言『無限のフロンティアもよろしく!(to森住P)』君の心に、ブーストファイア!!」
カチンコが鳴り、スタジオに光が灯る。
「はーい、カット! よく言えましたー! お疲れ様のはぎゅっ」
エクセレンがタオルを持って駆け寄るが、それを片手で払いのけて出口へと歩んでいく。
虫の居所の良し悪しで言えば確実に悪い方だろう。
「だいたいあのホンは何だ」
「いいじゃない、キョウちゃん。ギリアム少佐なんてお姉様に一回演習で負けただけでアレやらされてるのよん?」
出来の悪いパペットが床に転がり、ギリアムが壁際で黄昏れている。
「さて、少佐、第2ラウンド行きましょうか。言っておくけど私は『必ず中てる』くらいの精神でいくから」
『ヴィレッタさん、先生は何も君の機嫌を損ねるようなことはしていないと思うのですが』
パペットを拾い上げ、普段とは違う声色で抗議する。
エクセレンが思わず噴き出したのをキョウスケが無言で咎めた。
「何も。でもそうやって力を抜いて欲しかったの。エクセレンもそうでしょう?」
「そ、そうですお姉様!」
『声が浮ついているなぁ。何でかなぁ』
ギリアムの声色に笑い悶えうつ。
「わ、私、キョウスケの声大好きだから色々なカタチで聞きたいの……」
笑いを抑えながらエクセレンはようやくその言葉を絞り出す。
面白いというのもあるが、偽りのない本音だ。
『先生はですね、嫌がっているわけではないのですよ』
「それは十分わかったのでそろそろ素に戻ってください、少佐。おれはともかくエクセレンと大尉が笑い転げて話が進みません」
パペットを握った手を下ろし、ギリアムはふうとため息をつく。
「こういう行事も嫌いではないが、俺は出来るなら俺自身の言葉と声で君たちに応えたい。だから賭けをするなら別のことでお願いしたいな」
「なら少佐、1つだけ教えて」
「何だい、ヴィレッタ」
「少佐は何で髪で顔を」
『先生パンチ!』
パペットをヴィレッタの方に放り投げ、ギリアムは再び壁際で途方に暮れだした。

「……少佐のことはともかく、おれが言いたいこともだいたい同じだ。わかるなエクセレン」
「わかっているわよん。キョウスケはぶっきらぼうだけどちゃんと私のこと想ってくれてるってこと」
「そうか……」
耳元に唇を近付け、エクセレンにしか聞こえないような声でキョウスケは囁く。
俄に紅に染まった顔でぱくぱくと口を開く。
「あんな下らないホンよりこっちが聞きたかったんだろう」
「そ、そうだけど……! 反則……!」
「おれはサマ師に成り下がったつもりはない。ただ、ジョーカーを切っただけだ……行くぞエクセレン。次回作が出るまで時間はいくらでもあるのだろう?」
「わ、私のアレコレにブーストファイアな感じ!?」
「……おれは少佐と違ってノリがそこまで良くない。ただ……撃ち貫くのみだ」

 

スパロボワンライお題『君の声が好き』
声優ネタ限定ではないですが歓迎ということでキョウスケとギリアムの声ネタです。正直ぶっ込みすぎましたw
キョウスケの台詞は番組そのものの予告を参考にしています。ここの台詞が一番悩みました。
キョウセレだと容赦なく甘くなりますね……

 

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