■宵闇に煌めく明星の如く
ムスペルが従える英雄に、その姿を見た。
「オフェリア、何で……!」
――いや、わかっていたはずだった。その可能性に思い至らなかった訳ではない。
「オーディン、あの子を知ってるの?」
こうして見比べると本当によく似ている。成長する度にその姿を重ねた。
「あの魔導士はオフェリア……俺の娘です」
「わあ! マークスさんたちの時も驚いたけどオーディンにも子供がいたんだ! じゃあ早く契約から解放しないとね!」
リズはやる気だ。実際の優先順位としてもそうすべきだろう。
オフェリアも契約の影響かこちらには気付かない。いくばくかの罪悪感を覚えながらその身を貫いた。
「召喚の儀式するって! カムイさんやフェリシアはもう待ってるよ! オーディンもゼロも行こう!」
「俺は遠慮します」
ゼロは面倒そうにかぶりを振る。
「リズ様みたいなお方にはわからないでしょうが、エポニーヌは反抗期って奴でね……俺が待ちかまえてたらクるもんも来なくなっちまう」
「そういうものかなぁ?」
「そういうもんです。おい、お前は行ってやれ。闇の同胞だろ?」
「やみのどうほう……あ! あの子もオーディンみたいな喋り方なのかな? ふふ、楽しみ!」
リズはオーディンを待たずに召喚の間に駆けていった。
「行きなよ。僕だってソレイユを出迎えたんだからさ。母さんとも会ったけどソレイユがお茶に誘うくらいで何も問題は起こらない」
ラズワルドが囁く。
「それとも何? 合わせる顔がないとか? ムスペルでの戦闘のことは覚えていないよ。そして君はこの特務機関の主力の1人でもある。堂々と見学すればいい」
「……怖いんだ」
吐き出すように呟く。
「オフェリアにはお前はおばあちゃんに似てると言ってきた……そしてムスペルの契約に縛られたオフェリアを魔導で貫いた時……思い出したくもないあの時の記憶が蘇った」
「守れなかったあの日、かい?」
「だから怖い。俺がオフェリアを守れないことが。そして俺がオフェリアの目の前で死んでしまうことが」
ふう、とラズワルドは溜め息をつく。
「そもそもね、オーディン、僕たちは『英雄』という『概念』なんだよ? 戦場で倒れても死にはしない。僕も君も本来の『ラズワルド』や『オーディン』じゃない。だってソレイユやオフェリアの母親、つまり僕たちの奥さんについての記憶は全くないだろう? いびつな存在だ。けどだからこそ君がオフェリアを失う心配もオフェリアが君を失う心配もしなくていいんだ。行きなよ。あの子のことだからきっとオーディンと会いたくて仕方がないはずさ」
「そう……そうだな。神器と英雄を紹介するのが楽しみだ!」
オーディンもまた召喚の間に駆けていく。
「本当いびつだよね……暗夜に喚ばれずダンサーになった僕、なんて可能性に出会うなんてさ」
赤が魔境って言われるけど青も十分魔境だよ!(キュアンでドブった人)というわけでオフェリア目当ての書けば出る教です。
サイラスとの色被りピックアップは悪意すら感じますね!
リズとウード(オーディン)とオフェリアの3世代PT作りたいっていうのを目当てにFEHやりはじめたので本当引きたいです。
しかしこのSSだとラズール君(アズワルド君?)の方が目立ってますね……