「もう少し食べるかい?」 「うん!」 「店員、追加注文! それとお茶持ってきな!!」 何故か触覚と羽を持つ、無邪気な少女。 街中の、しかも茶店にも関わらず帯刀している、尊大だが美しい女性。 どちらも一人でいたとしても、存分に人々の様々な視線を集めることができるだろう。 その二人の取り合わせ。しかも、仲がいい。 そして極めつけは、ここは出会い茶屋であるという事実。 「何じろじろ見てんだい!!」 怒声が響いた。 この女性、尊大なだけでなく気が短いらしい。 見るなといわれると見たくなるのが人の常。 しかし柄に手をかけて睨みを効かせると、慌てて目を逸らした。 ――私だって好きでこんな所にいるわけじゃな[…]