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SRWでも任天堂でもないもの。ゲーム系と星矢LC多め。
文章・彩色:波多野奈津目 原画&白黒絵:焔安芸

ドキッ! 水着沖田さんの真夏新選組、ぐだぐだもあるよ Others

ドキッ! 水着沖田さんの真夏新選組、ぐだぐだもあるよ

  ハイカラな袴と浅葱の羽織は置いてきた。ハッキリ言ってこの先の戦いには必要ない。 「という訳で見ましたか土方さん! 沖田さん大勝利、水着の姿でレディゴーですよ!」 「ああ、結構なもんだな」 そう言いつつも何故か武蔵ちゃんの水着ばかり見ているのですよこの人。 バーサーカーは惹かれ合うんですか。ノッブの水着もガン見していましたね、私の方が大きいのですが。 私と同じセイバーかノッブと同じアーチャーかと思っていたらバーサーカーとして現界した、何ひとつ変わらない鬼土方です。 生前からうまくもない歌を送り女遊びを繰り返し、今もリップちゃんへのセクハラは日常茶飯事ですが、確かに局中法度には触れま[…]
■英雄と亡霊の正義 Others

■英雄と亡霊の正義

ストラトスとクラリスクレイスが模擬戦を行っている。 「この一撃で!」 「いいぞ、やる気だな! だがわたしには当たらんぞ!」 戦闘部副司令とクラス提唱者という立場以前に、潜在フォトンと戦闘経験で圧倒的な差がある。 クラリスクレイスの六芳均衡、三英雄という肩書きは代替品として与えられたものとはいえ伊達ではない。 そして彼女は既に代替品ではない――いつかイリスと名乗るために戦っている。 ストラトスが提唱し確立したヒーロークラスは彼女の性質と同じく直線的だ。 対してクラリスクレイスは幻惑するフォース。 クラス相性も悪い――当たればいいが、当たらないのだ。 「両者そこまで!」 ヒューイの号令で戦闘が終わ[…]
いつかの再会 Others

いつかの再会

耳触りのいいその声が、好きだと思った。 「レンジャー配達! 薬草を届けに来たぞー!」 「ふぁ~う!」 母に手ほどきを受けながら、視線をレンジャーたちに向ける。 誇らしげな表情。 島の皆が言っている、ウェルダーは偉いと。 親である先代の無念の死から、彼は笑顔で森を守り続けている。 豊かな表情と舌足らずな言葉で意志疎通する彼のレンジャー仲間、ジェイド。 ヒューマンだとかドラフだとかいう以前に人間ではなく、かといって森に住む動物たちとも違う。 ただ、ジェイドと出会ってからウェルダーは明らかに朗らかに活動的になった。 お互いに助け合い、皆を笑顔にする。 それでいい。 「あの子たちを助けられるように、あ[…]
■深い闇の残滓 Others

■深い闇の残滓

4月1日はエイプリルフール。他愛のない嘘なら許される日である。 「でもよぉ……オイラたち毎年それどころじゃねぇよなぁ……」 その日にだけ現れる『闇』との戦いで彼らは精魂尽き果てていた。 「世界が俺たちに嘘を吐いている、というわけか……ナンセンスだ」 サンダルフォンが吐き捨てる。『闇』が羽を毟ろうとしたのを『他愛のない嘘』と片付けるには彼はまだ場数が足りない。 「ダルっちー、っべぇのはフリル終わってもルリぴっぴとか戻らなかったりすることじゃねー的な?」 「誰がダルっちだ! そしてお前の妄想が現実に侵食している時点でお前だけには言われたくない!」 「ノリわりぃー。テンサゲー。ダンチョ的にはその辺ど[…]
■罪人たちの恋 Others

■罪人たちの恋

「良かった、お前が死ななくて済んで。もう少しで俺、殺人者になるところだったぜ」 ヒューザのいつものぶっきらぼうな台詞。 いつもの、とわかるのは多分身体の持ち主の私と同じ名前のウェディの女性の記憶だ。 彼は紛れもなく幼馴染を事故とはいえ殺してしまった殺人者だ。 そして彼と話していてわかる。 彼は『彼女』を幼馴染以上の感情で見ていたこと。 彼女がヒューザをどう思っていたかはわからない。 現実を突きつけてやりたいが、もし彼女がヒューザを想っていたならそれをしたらどう思うだろう。 死にはしたが私の身体の中に魂の一部が残っている彼女。 「今まで言えなかったけどよ、俺はお前が……その、好きだ」 だから私は[…]
◆PSZ10周年! Others

◆PSZ10周年!

PSZは2008年12月25日発売でした。クリスマスだったんですねー。 ヴィオラはあちこち転生していますが(アストルティアとかオラクルとか)やっぱりコーラルのハンターズだと思うのです。[…]
■アイドルの道は Others

■アイドルの道は

暗転の後、スポットライトが幸子に降り注ぐ。 「ふふーん、カワイイ天使のボクが舞い降りてきてあげましたよ!」 続いて点いたライトは光を照らした。 「皆が多いな……いや、大丈夫か。アタシと幸子でヒロイックエンジェルだからな!」 『かわいいー!』 「ふふっ、もっと讃えてください! 拝んでください!」 『飛んでるからちっちゃくないなー!』 「ちっちゃくない! 140cmはある!」 「ふふん、カワイイボクは142cmくらいでちょうどいいんですよ」 「ぐっ、ここぞとばかりに自慢された気がするぞ!?」 「ヒーローがそんなこと気にしてどうするんですか。ボクのように自信を持ってください! さあ、曲入りますよ!」[…]
■光と亜子とお金の話 Others

■光と亜子とお金の話

亜子がダンスレッスンを終えると、休憩室で光がスマホを睨んでいた。 「どうした光ちゃん、新しいヒーローのお披露目待ちかい?」 「いや、今日は完全受注生産のヒーローが使う武器を完璧に再現したすっごい奴の予約開始日で……アタシはカード使えないからお母さんにお金渡して予約を頼んだんだ」 「完全受注生産かぁ。お高いやろ?」 気まずそうに頷く。 「そ、そうなんだ……毎年新ヒーローが出ると変身グッズとか人形とか出て、アタシは誕生日とかクリスマスとかお年玉とかお小遣いでどうにかしてきたが……こういうのは初めてだ。あの武器をアタシが扱う資格はあるだろうか!」 スマホを握りしめてわななく。母親からの連絡待ちという[…]
■いつからか変わっていた感情 Others

■いつからか変わっていた感情

ジャスミンが薬草と動物たちのために木の実を集めている。 ウェルダーはその護衛を自ら買って出た。 「森を行く人々の安全を守るのもレンジャーの使命だ!」 いつものように、そんな理由を堂々と告げて。 時々銃声や魔物のうめき声が遠くから響くのでウェルダーは熱心にその活動を行っているのだろう。 安堵しつつ落ちたドングリの隣に咲いた花に目をつける。 確かこれは乾燥させた粉を煎じて飲むと疲労に効くはずだ。 後でウェルダーに飲ませようと身を屈める。 よく見るとその花の群生地のようでいくつか摘み集める。 合図にと持たされた木の鈴をカラカラと鳴らす。 これは見た目によらず森の中でもよく響き、合流に使えるという。 […]
■これから始まる『はじめまして』 Others

■これから始まる『はじめまして』

――夢を見るなんて、いつ以来だろう。 思い出すことも出来ない、思い出そうという行為自体が莫迦らしくなるくらい、遠い彼方の概念にも思えた。 マトイが心配そうに覗き込んでいる。 大丈夫? 所詮は夢なのに、その声はやけに鮮明だ。 私の願望が形を取ったものものなのか。 それともそれを利用して【深遠なる闇】が見せるものなのか。 大丈夫だって。 無知で無謀で、そして希望に溢れていた頃の私の声がする。 何が大丈夫なんだ、根拠もなく。 忘れていた。忘れていたかった。 叶わないのなら、それは絶望に変わるしかない。 こんな夢など、私には、ダークファルスである私にはいらない――――! 「いつまで寝ぼけたツラしてやが[…]
■Dreams Dreams Others

■Dreams Dreams

くしゃみ1つ。 体温計を回収したトナカイが小さなサンタに宣告する。 「これは! 明らかに病気だな! メディカルセンターで診てもらうがいい!」 六芒均衡の専用のキャンプシップを母艦に戻るルートへとセットし直す。 「ダメだ! クリスマス会場の制圧作戦があるだろう! ヒューイ、貴様は使命を忘れたのか!」 「ああ。会場から困ったフォトンを感じるな。だが!」 端末を操作すると、その姿はトナカイスーツからヒーローズクォーターを纏ったいつもの姿になる。 「お前からも感じるぞ、困ったフォトンを!」 「バカ! 私は困ってなどいない!」 叫んだ後こほこほと咳をする。 鼻水まで出てきて、慌てて拭きとった。 「無理を[…]
Journey through the Decade NinPict

Journey through the Decade

とうとう10週年!ありがとうございます! SRWサイド:ギリヴィレ、キョウスケ、アーニー、クロウ 任天堂サイド:ファルサム、ファルプリ、リンク、リキ、リザードンX&Y、ヌメラ、バチュル、ゲッコウガ その他:ヴィオラ(PSZうちのこ)料理長(MH4)山羊座のエルシド(星矢LC) 書き文字の色は書いたキャラのイメージカラーとは一切関係ありませんw  […]
◆It’s Show Time! Others

◆It’s Show Time!

48代目TOP。とうとうロボでも任でもなくなった! よろず化進みすぎですねうち(PSZもTOPになってるけど、ってそっちもSEGAだ!) 波多野が体験版配信以来ラルフラルフとうるさいw  […]
◆沼兄妹 Others

◆沼兄妹

伽シマ様のソウハクさんと波多野のヴィオラ。2人は兄妹。 キラッ☆な感じでキメてみました。  […]
◆山羊座のエルシド Others

◆山羊座のエルシド

かぷりこ。 いきなり右手をぶった切られたにも関わらずそこから無双が始まる人。 男は背中で語るものだ! やっぱり聖衣が難しい。星矢ジャンルの人を尊敬。  […]
◆射手座のシジフォス Others

◆射手座のシジフォス

さじたりあす。 死人だった原作とは打って変わり、LCでは結構長生きしている。 笑顔が素敵な責任感溢れる年長者v それにしてもこんなクソ難しい聖衣を毎週描く御大と手代木先生はやっぱすごいなー。  […]
◆焔のうちのこ Others

◆焔のうちのこ

35トップ絵、ウチの子焔版。ヒューキャストのシェルブ君。 接近戦のエキスパート!!……と言えば聞こえはいいけど脳筋キャスト。 チキンなんでガードと回避上げまくったけど。 そして一部フィールドでは完全保護色。 パーツにかなりオリジナル入ってるけど気にしないで下さい……。  […]
◆シジフォス&エルシド Others

◆シジフォス&エルシド

笑顔の年長者とぶっきらぼうなスペイン武士。 回想の時も思ったけど、あの時代にこういう服あるんかなー。 エルシドは後ろ髪がめっさ長いのがシュラとの一番の違い、だと思う。  […]
■節制と誠実の小夜曲 Others

■節制と誠実の小夜曲

亀国を無事に解放して、神獣・亀やその妻のミツコ姫に挨拶し、天神はマンダラの笛を見つめ風の中に佇んでいた。 これまでとは違う爽やかな潮風に露草色の髪が揺れる。 「天神と水貴、かわいそう……お話も出来ないの?」 「ああ。私……我々は600年、こうして生きてきた」 「あ、でも手紙書けばいいんじゃないか? 下手に喋るより余程伝わるぜ」 「……そういえば6通目が届いていたぞ。読むか?」 「知ってるしとっくに内容覚えちまったよ! 早く鶴見神社に行くぞ!」 3日会わないだけでこれだ。 5日空いた時の『恨みの手紙』の内容と、慌てて会いに行った時のももこの笑顔はさしもの火の勇者も引いた。 それ以上空けたら、など[…]
■節制と誠実の小夜曲 Others

■節制と誠実の小夜曲

亀国を無事に解放して、神獣・亀やその妻のミツコ姫に挨拶し、天神はマンダラの笛を見つめ風の中に佇んでいた。 これまでとは違う爽やかな潮風に露草色の髪が揺れる。 「天神と水貴、かわいそう……お話も出来ないの?」 「ああ。私……我々は600年、こうして生きてきた」 「あ、でも手紙書けばいいんじゃないか? 下手に喋るより余程伝わるぜ」 「……そういえば6通目が届いていたぞ。読むか?」 「知ってるしとっくに内容覚えちまったよ! 早く鶴見神社に行くぞ!」 3日会わないだけでこれだ。 5日空いた時の『恨みの手紙』の内容と、慌てて会いに行った時のももこの笑顔はさしもの火の勇者も引いた。 それ以上空けたら、など[…]
■危険な火遊び Others

■危険な火遊び

「もう少し食べるかい?」 「うん!」 「店員、追加注文! それとお茶持ってきな!!」 何故か触覚と羽を持つ、無邪気な少女。 街中の、しかも茶店にも関わらず帯刀している、尊大だが美しい女性。 どちらも一人でいたとしても、存分に人々の様々な視線を集めることができるだろう。 その二人の取り合わせ。しかも、仲がいい。 そして極めつけは、ここは出会い茶屋であるという事実。 「何じろじろ見てんだい!!」 怒声が響いた。 この女性、尊大なだけでなく気が短いらしい。 見るなといわれると見たくなるのが人の常。 しかし柄に手をかけて睨みを効かせると、慌てて目を逸らした。 ――私だって好きでこんな所にいるわけじゃな[…]
■無垢なる黒 Others

■無垢なる黒

ぼくには、アムリタというご主人様がいる。 アムリタはいつも寂しそうににしている。 ぼくが生まれる前はぼくのお母さんといたけど、ぼくが生まれた時に死んでしまったらしい。 多分アムリタはぼくにしてくれるのと同じように、お母さんも大事にしていたんだと思う。 だからぼくのお母さんがいなくなってさみしいんだ。 ぼくはお母さんを知らないし、お母さんが何で死んだのかわからない。 だけど、お母さんが生きていればいいと思う。 アムリタが大事にしていたんだから、きっといい竜だとおもう。 でもアムリタを哀しませているから、少し悪い竜かもしれない。 アムリタはいつも哀しい眼をしている。 ぼくはその原因を知っている。 […]
■危険な火遊び Others

■危険な火遊び

「もう少し食べるかい?」 「うん!」 「店員、追加注文! それとお茶持ってきな!!」 何故か触覚と羽を持つ、無邪気な少女。 街中の、しかも茶店にも関わらず帯刀している、尊大だが美しい女性。 どちらも一人でいたとしても、存分に人々の様々な視線を集めることができるだろう。 その二人の取り合わせ。しかも、仲がいい。 そして極めつけは、ここは出会い茶屋であるという事実。 「何じろじろ見てんだい!!」 怒声が響いた。 この女性、尊大なだけでなく気が短いらしい。 見るなといわれると見たくなるのが人の常。 しかし柄に手をかけて睨みを効かせると、慌てて目を逸らした。 ――私だって好きでこんな所にいるわけじゃな[…]
狂科学者監督伝説 Others

狂科学者監督伝説

ここにある村は、ひとつの事で苦しんでいた。 彼らは待ち望んでいた。 この状況を打破してくれる、救世主の存在を。 彼らにとって不幸だったのが、通りがかったのが困っている人を見過ごせぬ風来人ではなく、 破天荒で自己中心的な自称エレキ箱芸術家、バリバリだったことである。 双方がまだ理解していなかった。 村人は彼を救世主と思い総出で歓待したし、バリバリの方は自分の芸術を理解する人間が貢物をしてくれたのだと、完全に勘違いしていた。 「それで我輩はこのネコボーと共に旅に出たのだ! 一世一代のエレキ箱を完成させるために! 我輩の芸術を世界に広めるために! ハハハハハハハハハハ!!」 バリバリは、酔っていた。[…]
気付いてしまったこと Others

気付いてしまったこと

竜の砂時計が完成し、ユーディーが元の世界に帰る方法も確立された今、 彼女がこの世界でやるべきことは、世話になった皆に別れを告げ、依頼を全て片付けることだけだった。 しかし依頼を片付けるには少し材料が足りない。 採掘場に向かおうとすると、酒場にいたヴィトスが彼女に同行してきた。 「あんたも物好きね、ヴィトス。もう借金は返したんだからついてこなくてもいいのに」 「僕が君とつるんでいるって事は一応知られているからね。最後の最後におかしな事になっては、僕の信用に関わる」 「いっつもそうよね、ヴィトスって……」 ユーディーは呆れというより哀しみの声で呟いた。 ――――結局、ヴィトスにはお金が全てなのだ。[…]
向かい風の中で Others

向かい風の中で

誘うだけ誘ったあとは、向かい風ばかり寄せてくる旅の神クロン。 早くこの村を出て行かなくてはならない。 その想いは焦燥を生むだけで、力に変わりはしない。 進むことも、戻ることも出来ない。 心は、荒んでいく。 「ちょっと気晴らしした方がいいンじゃねぇか、シレン?」 「煩いな、そんな暇ないよ……」 「その調子じゃダメに決まってらぁ。オイラの言うこと聞いてりゃ間違いはねぇって」 「何だよ、口だけ達者で、俺にばかり苦労させて……一人じゃなーんにもできねぇくせによ」 日常茶飯事である二人の口論も、どこか刺々しい。 結局はシレンが折れ、“気晴らし”をすることになった。 それを知ってげんなりしたのは、ヨシゾウ[…]
月の想い人 Others

月の想い人

「……ごめん、また戻されちゃった」 身を起こして、寝癖を適当に直して。 シレンさんは、すまなそうに笑う。 「ホンット情けねぇよなぁ、コイツ」 「るせぇ。そりゃ確かに今回は俺がしくじったせいだけど」 ふてくされるシレンさん、子供みたい。 かと思ったら、いきなりコッパちゃんにつかみかかった。 「けどなぁ、いっつも袋ん中で寝てやがるてめぇにだきゃ言われたくねぇ!」 「八つ当たりすんじゃねぇよこの馬鹿!!」 しばらく罵りあっていた二人が急にこちらを向いてきょとんとする。 私が、笑い出したから。 いつものことなんだけど、本気でやりあう二人がちょっと滑稽で可笑しくて……ついつい笑っちゃうの。 「ほれ見ろ、[…]
闇の戦士たち Others

闇の戦士たち

このフロアの敵はだいたい片付けたようだ。 テムは息をつき傍の石に腰掛けた。 「ふう……」 気が浮かなかった。むしろ段々滅入ってくる。 フリージアの街から少し行った所にあるダイヤモンド鉱山。 表面は綺麗なあの街も、裏通りは奴隷商人の巣窟……というのも気が滅入る事実だったが、 実際に奴隷が働かされている現場であるここはそれ以上にひどい。 人間が魔物に使役される、そんな所があるなんて、思いもしなかった。 前にも旅に出たことがあるが、その時は父や頼れる大人たちがいた。 それに、戦う必要はなかったのだ。 今は同い年の仲間と旅をしているが……戦いの場ではテムは一人だった。 もっとも、一人、というのは少し違[…]
■闇の戦士たち Others

■闇の戦士たち

このフロアの敵はだいたい片付けたようだ。 テムは息をつき傍の石に腰掛けた。 「ふう……」 気が浮かなかった。むしろ段々滅入ってくる。 フリージアの街から少し行った所にあるダイヤモンド鉱山。 表面は綺麗なあの街も、裏通りは奴隷商人の巣窟……というのも気が滅入る事実だったが、 実際に奴隷が働かされている現場であるここはそれ以上にひどい。 人間が魔物に使役される、そんな所があるなんて、思いもしなかった。 前にも旅に出たことがあるが、その時は父や頼れる大人たちがいた。 それに、戦う必要はなかったのだ。 今は同い年の仲間と旅をしているが……戦いの場ではテムは一人だった。 もっとも、一人、というのは少し違[…]
テキストのコピーはできません。