北風がビルの間を駆け抜け、サムスの髪を揺らす。 宇宙港から見た空は青く晴れ、空に浮かぶサーキットもはっきりと見える。 直通ワープは彼にしか使用権限が与えられておらず、宇宙港経由で行かなければならないのだが、それはいいことだと思えた。 どうやって行くか、という楽しみが増えるから。 今日は歩いていこうと思った。 眠らない街とも呼ばれるほど騒がしい所だったが、嫌いではなかった。 ショーウィンドウを横目で見ると、この世界に集まった文化の一端を垣間見ることが出来る。 季節柄贈答品が多いのだが、それも今日まで。 日々変わっていくものだ。 街も、人も、世界も。 流行りの歌と風の中手提げを揺らし、ゆっくりと、[…]