ギリアムとヴィレッタの間には強い絆があり、男女としても愛しあっていた。 信頼から始まったヴィレッタの感情は明白に恋愛感情に変わっていった。 ギリアムは恋など知らなかったが、一際大切な存在が女であることと己に恋愛感情を持っていることを尊重した。 男女であるが遺伝子構造が根本的に違う彼らが新しい命を生むことはなく、寿命の差はどちらが先かの違いはあれど決定的と確信出来る。 そしてギリアムは己の意思とは関係なく記憶を保ったまま放浪する宿命にある。 その上で結ばれることに意味がある。 全て理解した上で拒んだ。 理解している。 ヴィレッタは全て理解した上で一線を越えることを望んでいる。 ギリアムも同じだ。[…]