Versprechen

私は不安だった。変化を恐れていた。
変わらなければならないのはわかっていた。
私も、あなたも。
だが、変わってはならないもの――そう思っているものまで及ぶのではないか。
私は信じたかった。
疑いたくなかった。疑いようもないはずだった。
色々変わったけれど戦いの意義も私を包む微笑も声も変わらなかった。
――――なのにこの違和感は?
私の思い違い?
あなたが離れていく気がする。
あなたと噛み合わなくなっていく気がする。
あるいは、最初から――――――――?

――――ひとつだけ、答えて。
ギリアム少佐――あなたが望む世界の中で、未来のあなたはどうしているの――――?

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そう、あなたは約束を破ってはいない。
あなたはずっと理想の未来のため戦っていた。
それはきっと私や皆が望んだ世界とそう変わらなかっただろう。
そして争いを呼ぶ存在を消滅させようとしている。
この世界に混沌を招く、その元凶を。
約束は、守っている。
でも――――違う。
それは違う――!
確かに、災いを蒔いたものは消える。
システムXN、ヴィンデル・マウザー、そしてヘリオス――――いや、ギリアム・イェーガー。
世界は、平和になるだろう。
けれど、あなたは?
自己も他者も認識することのない混沌の孤独。
あらゆる因果から切り離された永久の流刑地。
未来も過去もそこにはない。
あなたにはまだこの世界でやるべきことがあるはず。
そして使命や義務などではなく、あなた自身の意思では。

あなたは本当に、それで良かったって言える――――?

 

日記からの加筆修正。 OG2ギリ←ヴィレですが本当はギリ×ヴィレだと信じている。
前半は「星から来るもの」あたり。後半はおなじみ「彼方への扉」
彼女は実際には問わないし、聞いたとしても彼は答えないでしょう。
そして、お互いわかっているんです。答えも、それでも起こす行動も。
書いていたときは意識していなかったですがHoffnungと対になってしまいました。

 

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