勘違い・ファルサム
熱出したんで、PCからではなく寝ながら携帯です。
普通に寝とけって?サーセンwwwwwww
「ねえ、バート」
「何ですか?」
くるりと振り返った柔らかい笑みに、またかとため息をつく。
彼の名はバート・レミング。
ただしこの屋敷においては、もうひとつの名、キャプテン・ファルコンの方が通りがいい。
ただ、サムスだけはバートと呼び続けていた。
しかしこのわざとらしい返礼を見る度に、彼の誇りを尊重すべきかとも思う。
本名も知っているのだが、その呼び方はサムスの感覚からすれば論外だった。
それこそ彼の誇りに関わる。
「次の乱闘は私とのタッグでしょう?忘れたとは言わせない」
「無論覚えているさ。勝利の女神がついていて負けるはずもないがな」
「またそういう調子のいいことを……」
彼が店ではずっとこの調子で、勘違いする女性客も多いことを彼女は知っている。
故に一目惚れだの何だのという口説き文句は8割方信用していない。
彼の感情も、単なる勘違いだろう、と。
たまたま放って置けない人間がいて、それが同業者だっただけ。 ――だが、勘違いもしたくなる。
抱きしめられる暖かさを知ってしまったから。
代わりに流してくれる涙の強さをも。
これが“恋”だなんて勘違い、したくなっても仕方ないじゃないか。
だからサムスは微笑み、作戦を提案する。
彼も嬉しそうに調子のいい台詞をつぎ、それに応えていくのだった。