PSZ・キャストラップ

PSZでうちのこSS的なもの。
伽シマ様のソウハクと焔のシェルブ、ちょい役で借りています。
元々は焔のリクエストでした


普段は静寂に包まれている廃棄都市・パルに爆音が響いた。
咳き込みながらヴィオラが抗議する。
「オギ! 何やってるのよ!?」
バーントラップというものがある。
アイテムボックス大の大きさの箱だが、中身は火薬でいっぱいだ。
攻撃による火種から爆発し、このトラップはハンターズにもエネミーにも等しくダメージを与える。
オギはレイキャスト――後方から敵を見渡し、的確な一撃を与えるのが彼のハンターズとしての役割だ。
しかし混戦の中では、照準もぶれようというものだ。
味方に当たらないだけマシともいえるが――代わりにバーントラップが爆発する。
エネミーからの攻撃よりこちらのダメージの方が桁違いに大きい。
ヴィオラの頭の中には、トラップの爆発で目の前のフルーウータンを倒すという未来設計が出来上がっていたのだが、現実は非情である。
そこをエネミーに殴られバッタリと倒れた彼女はスケープドールもなく、シティに強制送還となってしまった。

「オギ、今日からしばらくパーティーに加わらなくていいからね」
そしてこの結論である。
微笑のオヒョウに茶を貰っている割になかなか後ろ向きな話だ。
この老キャストは賑やかで喜んでいたが。
「キャストってトラップ見えるんでしょ? ましてやバーントラップは私たちにも見えるのよ? どうにか出来なかったの?」
「ほらほらヴィオラ、随分ご機嫌斜めだけど落ち着いて」
ソウハクがその辺りで売っていたジュースを与えると、ヴィオラは少し落ち着いたようだった。
「私はそんなに誤爆していただろうか……」
「全員一回はぶっ倒れてるな、お前のバーントラップ」
「カイ、人のこと言える?」
「オギよりゃマシだぜ?」
「ふむ、そういうことか……ヴィオラが怒るのも無理はないということか」
流石に落胆を少ない表情に表すと、シェルブが慌ててフォローした。
「で、でも俺と行った時、フォローシフトで短銃に変えてたせいか平気でしたよ!」
「おお、流石シェルブ。鋼の魂を持つものにはわかるか」
「でもヴィオラさんがそこまでへそを曲げる理由がわかりませんわ。オギさんの誤爆もいつのものことではありませんか」
「リュシオル……その発言もどうかと思うぞ」
ジュースを飲みながら黙っていたヴィオラだったが、息継ぎをして声を上げた。
「バーントラップもだけど、どこにトラップがあるか教えてくれてもいいじゃない!?」
それがこの問題の根っこか、っと他の面々は肩を落とす。
言ってみれば、くだらない。
「ああ、そうだね。皆揃ってキャプチャートラップに引っかかっちゃったり、あんまりいいことないよねぇ」
確かにトラップビジョンは数の関係上そうそう使えるものではないが。
「でもオギ、ヴィオラさんは教える前にトラップ地帯に突っ込んで行くこともよくあるから、実はあんまり役に立たな」
「何よそれー! 自分だってわざと発動させたトラップから逃げ遅れたりするでしょ!?」
「あ、あれはタイミングを間違えて……!」
「……もう良い、ヴィオラ、シェルブ」
すっかり落ち着いた様子のオギが論争を止め二の句を次いだ。
「それに、私はトラップ発見機能がエラーを起こしていてな。そちらについてはその辺のヒューマンと変わらん」
「!! ごめんなさい、誰だって事情はあるよね……でもオギは本当に凄いハンターズだよ! 尊敬している!」
「サリサは特別として、オギやカイへの憧れをいつも家で語っているもんねぇ」
「兄さん!」

「……ところで、パルで何を探してたんですか?」
「野良マグかソニチかゴスノアマヨケ」
「見つかったんですか?」
「あはは、そう簡単に見つかったら苦労はしないよねぇ」
どうやらしばらく、バーントラップやニードルトラップに悩まされる生活は続きそうだ。

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