らしくない
ちょっと小ネタ的に蛇&隼。
×にしようと思ったけどならなかった品。
とにかくこの2人がgdgd話しているのが好きらしい。
何故こうなったのかは35話をご参照下さい。
ファルコンが負傷した。
そのニュースは一気に屋敷を駆け抜けた。
しばらく乱闘にも出られないような状況だという。
店に寄ってみるも、正体を明かす訳にはいかない彼は、怪我のことも必死に隠しているようだった。
他の客がいない時間に、と考えたが、クランクがやけに仕事熱心で、それも防がれてしまう。
スネークがそのことについて彼と話せたのは、事件からかなり経った日の屋敷だった。
「ここでお前を見るのも久々だな」
「すみません、ご迷惑をおかけしまして」
丁寧な語調にため息をつく。
この男はわざと慇懃無礼に話し相手をからかうことがあるが、どうもそういうことではないようだった。
「らしくもなくしおらしいじゃないか」
「……そうだな」
そう素直に頷く姿もやはり弱々しく、この男らしからぬもの。
「怪我の具合はどうなんだ? 肩だと聞いたが」
「まだあまり動かせない。利き手でなかったのが幸いだな」
「さっさと治せ。そしてとっとと戻ってこい」
ぶっきらぼうに背を叩くと、少しうめいて左肩を抑えた。
「……っと。やりすぎたか?」
「はは、冗談ですよ、冗談。いくら何でもそこまで酷くないですって」
「…………その丁寧語が怪しいんだが」
煙草を取り出すと火をつける前に奪い取られる。
舌打ちした。それくらいの元気はあるらしい。
「とりあえず、だ」
「はい?」
「他人庇って怪我するなんて真似はやめとけ。非効率的だしやられた方も目覚めが悪い」
神妙な顔で頷いた。
何しろ知らぬこととは言え本人にその愚痴を聞かされたのだ。
それに彼とて、それをされた経験がないわけではない。
スネークもそれが想像できるからこそそう言った。
「それにな……らしくないだろ、そういうの。お前みたいなずぶとくて勝手な奴が」
「いや、勝手だからそういうことをするんだ」
皮肉か冗談か、と顔を歪めるが、その眼差しはいつになく真剣だった。
「勝手だから平気で命を投げ捨てる真似をする」
「お前な……帰る場所があるんだろうが。あのクソガキだって泣くぞ」
「そこまで心配するなんてらしくないな」
「お前がらしくなく弱っているからだろうが」
思わず言い返すと、ククッと笑った。
「いやいや、この怪我のおかげでいいこともありましたし」
「いいことって何だ」
「んー、スネークさんに心配してもらえたことかな? 嬉しいなぁ」
煙草を奪い返して呟いた。
「わざとらしい……が、ようやくらしくなったじゃないか」
「どういたしまして」
火をつけてくわえた所をまた奪い取り、満面の笑みを浮かべた。
********************************
やまなしおちなしいみなしだよ!
あの怪我した時はついついシリアスモード発動したり乾いた笑いになったり嘘が苦手になっていたらいいと思うよ!
屋敷に来た理由は挨拶だと思ってください。